「あまりお金をかけずに未経験からエンジニアになりたい」という方は、独学で勉強するか無料のプログラミング教室で勉強するかの二択になると思います。
勉強する時間が確保できる方や粘り強く継続して学習できる方は独学でも問題ないかもしれませんが、そうでない方は無料スクールを検討するのも一つの方法です。
無料のプログラミングスクールは受講料は無料ですが、企業から人材紹介料を貰って運営するため、無料スクールに通うということは「就職を目指す」ということになります。
無料でプログラミングの研修を受けられるスクールは複数ありますが、今回はその中からプログラマカレッジとGEEK JOB(ギークジョブ)に絞って比較しながらできるだけ丁寧にご紹介したいと思います。
まずは各スクールの特徴について簡単に見ていきましょう。
プログラマカレッジってどんな無料スクール?
プログラマカレッジはプログラミングの基礎だけでなく、チーム開発など実際の開発現場で使える技術が学べる無料スクール。
講師による学習サポートはもちろん、キャリアアドバイザーによる就職サポートなど安心して学習できる環境を提供しています。
3,500社の就職先や5000件以上の求人数を保有しており、中には楽天やLINEグループ、サイバーエージェント、ソフトバンクグループのような有名企業との取引も。
正社員就業率は96.2%と高く、受講する多くの人が就職していることになります。
新型コロナウイルスの影響から現在はオンラインでの受講に切り替わっていますが、オンラインでもプログラミング学習から就職・転職のサポートまでしっかり対応してくれます。
申し込み後、無料体験・面談があり、選考を通過すれば研修がスタートします。3ヶ月間のプログラミング学習を経て就職活動を行います。企業で採用されればプロのエンジニアとしての第一歩がスタートします。
また、インフラエンジニアとして就職を目指す無料スクール「エンジニアカレッジ」では、ネットワークやサーバー、データベースの知識・スキルやチーム開発の手法など現場で使える業務知識が学べます。
どちらもインターノウス株式会社が運営しています。
GEEK JOB(ギークジョブ)ってどんな無料スクール?
GEEK JOB(ギークジョブ)は、教養としてプログラミングの基礎が学べる「プログラミング教養コース」や、プログラミング学習と転職サポートが付いた「プレミアム転職コース」のほか、プログラミングスキルを身につけて早期就業を目指す無料コース「スピード転職コース」を提供しているプログラミングスクール。
無料のスピード転職コースでは、審査はあるものの実務未経験からプロのエンジニアとして就職することも可能なので、お金をかけずにエンジニアになりたい方に向いています。
取引企業数3,500社の中で、未経験者から正社員として転職可能な紹介企業数は500社以上あるので、異業種からエンジニアとして転職することも。
現在はオンライン学習のみで、24時間いつでも自宅で学習可能。転職メンターによるキャリアサポートも付いています。
プログラミングコースはPHP、Ruby、Javaのいずれか、インフラコースでは、Linux、Apache、MySQLの基礎を学習して就職を目指します。
就職までの主な流れは、無料カウンセリングを行ったのちに審査を通過すれば受講開始となります。
学習と並行して、履歴書や職務経歴書の添削、面談の練習などを行い就職活動を行います。企業に採用されればエンジニアとしてのキャリアがスタートします。
GEEK JOBはグルーヴ・ギア株式会社が運営しています。
プログラマカレッジとGEEK JOBを比較
プログラマカレッジとGEEK JOBの年齢制限や受講スタイル、資格習得、違約金、紹介先の企業について比較しながらご紹介します。
プログラマカレッジ | GEEK JOB | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 無料 |
就職率 | 96.2% | 97.8% |
学習言語 ・スキル |
HTML/CSS/JavaScript/PHP/Ruby/Java /MySQL/jQuery |
PHP/Ruby/Java/Linux/Apache/MySQL |
年齢制限 | あり (22~26歳) |
あり (20~29歳) |
審査 | あり | あり |
受講 スタイル |
オンライン | オンライン |
資格習得 | JavaSilver (資金支援あり) |
なし |
違約金 | なし | あり |
取引 企業数 |
3500社 | 3500社 |
紹介先 企業 |
楽天/ソフトバンクグループなど | サイバーエージェント/DMM.comラボなど |
就職支援 | あり | あり |
運営会社 | インターノウス株式会社 | グルーヴ・ギア株式会社 |
料金はどちらも無料ですし、取引企業数や受講スタイル、就職・転職サポートが付くなど、共通する部分も多いことがわかります。
就職率に関しては、ややGEEK JOBのほうが高めですが、ほぼ変わらないと思っておいたほうが良さそうです。
大きく異なるのは、年齢制限や資格習得、違約金です。
応募条件として気になる年齢制限ですが、プログラマカレッジのほうがシビアなようですが、資格取得の資金支援や違約金の発生がないなど、受講するうえでのメリットは大きいのが特徴です。
各比較項目を以下で詳しく解説していきます。
公式:プログラマカレッジ
公式:GEEK JOB
受講料金
当然ながら無料ITスクールなので、受講料金はどちらも無料。
受講料ではなく、企業への人材紹介料で成り立つ仕組みなので受講者はお金を支払う必要がありません。
入会金も無料となります。
就職率
プログラマカレッジの就職率:96.2%
ギークジョブの就職率:97.8%
どちらも公式サイトの情報ですが、ギークジョブの就職率のほうが高くなっています。
ただ数字的にはほとんど変わりませんので就職率だけでなく、カリキュラムや学習できる言語、転職サポートの充実度、資格取得のサポートなど総合的に判断したほうが良いでしょう。
学習言語
プログラマカレッジではHTML、CSS、JavaScript、PHP、Ruby、Java、MySQL、jQueryなど広く学べます。
GEEK JOBは、プログラミングコースではPHP、Java、Rubyのいずれか。インフラコースは、ApacheやMySQL、Linuxの基礎を学習するので、インフラエンジニアを目指す方はGEEK JOBが良いでしょう。
ただ、エンジニアカレッジではLinux基礎やネットワークの基礎、Teratermの操作、セキュリティ基礎、PostgreSQLなどが学べるのでインフラ系の無料スクールを検討している方はエンジニアカレッジも候補に入れると選択肢が広がります。
年齢制限
プログラマカレッジの年齢制限は以前までは30歳までOKでしたが、現在は22~26歳までとなっています。
一方、GEEK JOBの年齢制限は20代、つまり20~29歳まで幅広く申し込むことができます。
どちらのスクールも30代、40代は基本受講することができません。
ここからは個人的見解ですが、場合によっては30代でも受講できる可能性はあるかもしれません。
例えば
・過去にエンジニアとしての実務経験がある。
・HTML、CSS、Javascriptの知識は身につけている。
など。
エンジニアとしてブランクがある方や、ある程度プログラミングの基礎ができている人は、もしかしたら審査を通過するかもしれないので一度お問い合わせしてみるのも良いでしょう。
エンジニアであれば30代で転職するのは普通ですし、実務経験があれば就職・転職は難しくありません。
無料スクールは人材紹介することで紹介料を貰うため、就職できる可能性が高ければ30代でも受講できるかもしれません。
審査
基本的にはプログラマカレッジもギークジョブでも審査はあります。申し込みした人全員が受講できるわけではありません。
無料スクールは就職させてナンボなので、就職・転職に成功できそうな人材を選ぶはず。
もちろん審査の基準は異なると思いますが、難易度は実際に申し込みしてみないとわかりません。
なので、「プログラマカレッジのほうが審査を通過しやすい」といったことは誰にもわかりませんので、審査のことは気にせず、サポートの充実度やカリキュラムなど自分が気に入ったほうを選ぶようにしましょう。
受講スタイル
以前はどちらも教室での学習が基本でしたが、新型コロナウイルスの影響もあり、現在はオンライン受講が基本となります。
教室での受講の場合は、教室の数や自宅から教室への通いやすさも考慮する必要がありましたが、現在はどちらもオンライン受講のため気にする必要がなくなりました。
自宅にいながらプログラミング学習ができるので効率よく勉強できます。
資格習得について
プログラマカレッジはOracle Certified Java Programmer Silver SE11を取得した後に就職活動を行います。また資格取得の受講料も負担してもらえます。
一方、ギークジョブのカリキュラムには、資格取得は含まれていません。「プログラミングを学び実績を作ること」を重視しているとのこと。
違約金について
結論から言いますと、プログラマカレッジは違約金がありませんが、GEEK JOBは違約金が発生するケースがあります。
無料ITスクール | 違約金 | 違約金が発生するケース |
---|---|---|
プログラマカレッジ | なし | – |
GEEK JOB | あり |
|
まず、違約金が発生する可能性があるGEEK JOBについてですが、受講してから途中で自主的に退学したり、GEEK JOB以外で面接や就職した場合や、GEEK JOBで就職活動して採用が内定したにも関わらず辞退すると違約金(IT技術学習料金)が発生します。
違約金(IT技術学習料金)は月額約10万円、日額3,300円をサービスを受講した期間分の支払いが発生します。
なお、コース受講開始日から60日間以内に、GEEK JOBが提供する有料コース「教養プログラミングコース」または「プレミアム転職コース」へのコース変更を行った場合は対象外となるようです。
しっかり内容を確認しておかないと「無料だと思って受講したのに、受講料金が発生した」ということになってしまうので注意が必要です。
一方、プログラマカレッジでは違約金は発生しません。
研修途中で辞めた場合や就職できなかった場合でも違約金は発生することはありません。
公式サイトには「就職に自信を持っているからこそできる仕組み」と謳っています。
取引企業数
プログラマカレッジの取引企業数:3,500社
ギークジョブの取引企業数:3,500社
取引企業数、つまり就職先として紹介できる企業はどちらも3,500社あるとしています。
プログラマカレッジは、常時5,000~7,000件の求人情報を保有。ギークジョブは未経験からでも正社員として転職可能な紹介企業数を500社以上保有しているとのこと。
紹介先の企業
公式サイトに掲載している企業を見てみると、各スクールの紹介先の企業は下記になります。
※当サイトが独自に調査した結果となりますので、参考程度にご覧ください。詳細については各スクールの公式サイトから直接お問い合わせください。
プログラマカレッジの就職先一例
- ソフトバンクグループ
- サイバーエージェント
- 楽天
- LINEグループ
- NTTデータグループ
- KDDIグループ
- リクルートグループ
- 伊藤忠グループ
- NaviTime
- JX通信社
など。
ギークジョブの就職先一例
- サイバーエージェント
- DMM.comラボ
- IMJグループ
- Silicon Studio
- 住友電工グループ
- BOOK OFFグループ
- mobcast
- CYBIRD
- CROOZ
など。
就職・転職サポート
無料スクールは受講生が就職することで紹介料が貰える仕組みなので、就職するために必要な履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートは充実しています。
プログラマカレッジの就職・転職サポート
プログラマカレッジではキャリアアドバイザーによる面接対策や、履歴書・職務経歴書作成のサポート、ビジネスマナーの習得、就職先の事業優位性、財務安定性、社風、離職率などの詳細情報の開示など就職に必要なサポートを実施しています。
講師・アドバイザーがしっかりサポートしてくれるので、プログラミング学習に集中できます。
ギークジョブの就職・転職サポート
履歴書や職務経歴書の添削、面談の練習など、転職メンターによるキャリアサポートを実施しています。
プログラミング学習と並行して就職サポートを行うので、最短での就職を実現していきます。
運営会社
プログラマカレッジはインターノウス株式会、GEEK JOBはグルーヴ・ギア 株式会社が運営しています。
※2021年11月時点での情報となります。
インターノウス株式会社
設立 | 2005年12月 |
---|---|
資本金 | 1000万円 |
代表取締役 | 中舘 宏輔 |
事業内容 | ITエンジニアの人材紹介/ 派遣 ITアウトソーシング/ コンサルティング 採用代行 教育 メディア運営 |
従業員数 | 正社員72名 (派遣・契約・フリーランス等 稼働技術者250名) |
本社住所 | 〒106-0032 東京都港区六本木1丁目9−9 六本木ファーストビル17F |
URL | https://www.internous.co.jp/ |
グルーヴ・ギア 株式会社
設立 | 2008年3月12日 |
---|---|
資本金 | 1000万円 |
代表取締役 | 石塚 保行 |
事業内容 | プログラミング教育事業 インターネットメディア事業 ITソリューション事業 IT人材派遣・紹介事業 法人研修事業 |
従業員数 | 92名 |
本社住所 | 〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町45番地1 神田ファースト1階 |
URL | https://www.groove-gear.jp/ |
プログラマカレッジとGEEK JOBの比較まとめ
同じ無料のITスクールということで共通する部分も多いですが、年齢制限や資格の習得、違約金は大きく異なるので、この辺りを見比べると自分に合ったスクールが分かるかもしれません。
年齢制限はGEEK JOBのほうが幅広いので20歳、21歳、27~29歳の方はGEEK JOBのほうが良さそうです。
やはり気になるのは違約金ではないでしょうか?
GEEK JOBは場合によっては違約金が発生する可能性があるので、不安に感じる方は多いかもしれませんが、プログラマカレッジは違約金はないので安心。
また、JavaSilverの資格取得のサポートもあるので、個人的にはプログラマカレッジのほうが良いと感じています。
ただし、自分に合っている無料スクールは受講する人によって異なると思いますので、公式サイトを見比べたり、実際にお問い合わせして相談するなどして決めると良いでしょう。
公式:プログラマカレッジ
公式:GEEK JOB
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