Python
データ解析や機械学習などの開発案件も多く、優秀なライブラリも豊富なプログラミング言語。
Python(パイソン)とは?
- ライブラリが豊富で、数行で書ける
- クロスプラットフォームで用途は様々
- Googleなどの大手企業でも採用実績あり
Pythonはライブラリが豊富で、たった数行でも機能的なプログラムを簡単に開発できます。
PythonはWindowsだけでなく、LinuxやMacOSでも動くクロスプラットフォーム言語です。用途も、サーバーやシステム開発の他に、マイコンと組み合わせてロボットを作ったりすることもできます。
GoogleやAmazonなどの大手企業では、既にPythonを開発の現場に採用しています。主にクローラやAI開発などにPythonが利用されることが多く、今後も需要は増えていくでしょう。
プログラミング初心者がPythonを覚えるメリット
Pythonは他のプログラミング言語と比べると簡単で数行のコードで済む場合も多いです。
また、ライブラリが豊富なので効率良く開発できるのでプログラミング初心者にオススメと言えます。
そのほか、Pythonを使った開発案件も多かったり、人材不足ということもあり就職にも強く高い年収も期待できるプログラミング言語となります。
数行で高機能なプログラムが作れる
前述の通り、Pythonプログラミングは数行で済ませることも可能です。更に優秀なライブラリが大量にあります。
そして何より、長時間コードの書き方を勉強する必要はありません。CやJavaのように回りくどい書き方をする必要は無いのです。
初心者の方でも、自分に必要なプログラムがすぐに開発できれば、学習のモチベーションを維持できますし、数ヶ月勉強しただけでも開発の最前線で働くこともできるでしょう。
オフサイドルールでコードが読みやすい
Pythonにはオフサイドルールが用意されています。簡単に言うと、Pythonはインデントによる字下げで範囲を判定しています。
例えば、Cの場合はforループを以下のように記述可能です。
【わかりにくいCの記述例】
#include <stdio.h>
int main(){
int i;
for(i=0;i<10;i++){printf("%d\n",i);}
}
Pythonを同じforループで書くと、インデントによる字下げが強制されるので、誰が書いてもわかりやすいコードになります。
【Pythonの記述例】
for i in range(10):
print(i)
Pythonは基本的に誰が書いてもわかりやすくなります。
大規模な開発は複数人のチームで行われることも多く、開発者はコーディングルールを覚えた上で作業を行わなければなりません。人によってはコードが読みにくく感じることもあるでしょう。
Pythonは字下げによるコーディングルールを強制することで、可読性を高め、チームでの開発をスムーズにしています。
豊富な案件と手堅い収入
開発言語ごとに、これまでクラウドワークスに掲載された案件をグラフにするとこうなりました。
クラウドワークス内では、CよりもJavaやPythonの案件が豊富なようです。
PythonはJavaに遅れを取っているようです。しかし、それはPythonが2008年に3.x系に移行して後方互換を失ったこと、Javaが2000年代からサーバーサイドだけでなく、組み込みに至るまで幅広く利用されていることを考えると妥当でしょう。
続いて、ビズリーチが発表したデータを見てみましょう。
Python技術者の年収の中央値は約575万円、案件数も約9300件と他の言語より安定していることが伺えます。
Pythonと他の言語との違い
プログラミング言語の中でも代表的なC及びJava、そしてPythonをそれぞれHello Worldで比較してみます。
CのHello Worldは以下のようになります。
#include <stdio.h>
int main(){
printf("Hello World\n");
}
Cは最初に標準入出力のライブラリをインクルードしなければなりません。
また、Cは実行時にコンパイルをする必要があります。上記のソースをhello.cとして保存して、gccコマンドでコンパイルしましょう。
gcc -o hello ./hello.c
カレントディレクトリにhelloファイルが生成されるので、実行するとこのようにHello Worldが表示されます。
Cはコンパイルの作業がやや面倒である反面、JavaやPythonなどよりも低水準な言語なので、処理速度は非常に高速であるというメリットがあります。
JavaのHello Worldは以下のようになります。
public class hello{
public static void main(String[] args){
System.out.println("Hello World");
}
}
Cと違って、大文字と小文字が混ざっています。コードもやや長めで、書きにくそうです。とはいえ、Javaはオブジェクト指向を利用すれば、Cよりも開発しやすくなります。
実行時はjavaコマンドを使えばすぐに結果が出力されます。
java ./hello.java
では、同じようにPythonのHello Worldを表示するために必要な記述について見ていきましょう。
print("Hello World")
PythonのHello Worldはたったこれだけです。
Cのように標準入出力のライブラリをインクルードする必要はなく、Javaのように大文字や小文字が混ざっているわけではないので、とても書きやすいです。
また、Pythonはインタプリタ型の言語なので、コンパイルの必要はありません。以下のコマンドですぐに実行できます。
python3 ./hello.py
一方で、Pythonは処理速度の面で、CやJavaに劣ります。高度な計算や複雑な処理をPythonだけで行おうとすると、時間がかかることが多いです。
今回ご紹介した「C」「Java」「Python」で処理速度や開発効率を考えた場合、下記のようなイメージでしょうか。
C | Java | Python | |
開発効率 | △ | ○ | ◎ |
処理速度 | ◎ | ○ | △ |
Pythonでできること
Pythonは幅広いOSに対応しており、標準ライブラリだけでなくサードパーティ製のライブラリも充実しています。
Pythonを使って開発を行うことでデスクトップアプリケーションはもちろん、Webアプリも開発することができます。
ウェブスクレイピング
ウェブスクレイピングとは、ウェブサイトから情報を抽出する技術のことを言います。
例えば、ネットサーフィンをしていて、以下のように感じたことはありませんか?
- オークションサイトや通販サイトの価格をまとめて調べたい
- 常に株価をチェックして、有利に投資をしたい
- 地域の気象情報を自動的に記録したい
- サイトの更新状況をチェックしたい
- サイトからテキスト、画像、動画などを自動的に収集したい
これらの問題は、全てウェブスクレイピングの技術で解決できます。
特にPythonには優秀なウェブスクレイピング関係のライブラリが充実していて、代表的なものにBeautifulSoupやScrapy、構文解析器としてlxmlなどがあります。
日常のPC作業の自動化
業務でExcelやCSVファイルを作成しながら、取引先と電話や電子メールなどでやり取りをしていると、必ずミスが発生してしまいますし、時間がいくらあっても足りません。
ミスを減らして、一日の仕事量を増やすためにはどうすればよいでしょうか?答えは簡単です。作業の一部を自動化してしまえば良いのです。
Pythonには、自動化に関係するライブラリがたくさん用意されています。自動化を積極的に業務に取り入れていけば、毎日定時で帰ることも夢ではありません。
データ解析や機械学習
Pythonには、行列計算や数値解析、機械学習関係のライブラリが豊富に用意されています。これらのライブラリを使用すれば、膨大な量のデータから法則性を導き出したり、それを元に個別に処理を行うこともできます。
データ解析や機械学習といった分野は、適切なマーケティングや渋滞予測、天気予測なども応用可能です。
現在社会問題化している食品ロス、物流コストの高騰、異常気象における災害などは、Pythonプログラムを使用して解決することも不可能ではないでしょう。
IoT家電の開発
他にも、Pythonにはマイコンの入出力(GPIO)を制御するライブラリも用意されています。
これにより、Pythonで自作のIoT家電も作れます。PythonとRaspberry Pi組み合わせて、スマートフォンと連携させれば、外出先からの家電の制御も簡単です。
Pythonの勉強方法
Pythonに限らずプログラミング言語の勉強方法は独学で実際に書きながら覚えるか、プログラミング教室に通って基礎からしっかり勉強するかの2パターンが主に考えられます。
また、独学でもプログラミングスクールに通うにしても、スライドや動画解説などで勉強できるプログラミングの学習サイトを合わせて利用すると理解がより深まるかと思います。
プログラミング学習はいかに挫折せずに継続的に勉強できるかがポイントとなるので、自分の勉強に使える時間や予算、目標とするキャリアなどによって最適な勉強方法を選びましょう。
もちろんお金をかけずにPythonを覚えるには独学での勉強方法がオススメですが、より短期間で学習を進めたい方はプログラミングスクールを検討してみると良いでしょう。
独学での勉強方法
自分が得するPythonプログラムを作ろう
初心者の方は、言語の仕様など体系的に学習しようとしたり、参考書を隅から隅まで暗記しようしたりして、途中で挫折してしまうケースが多いです。
そこで、まずは自分が得するプログラムを作って、モチベーションを維持しましょう。例えば、作業の自動化や簡単なIoT家電の自作などであれば、少し勉強しただけでもすぐに作れます。
関数化、小型化を推進しよう
プログラミングの基礎がわかってきたら、次は開発したプログラムを再利用できるように、機能ごとに関数化と小型化を推進していきましょう。
小分けされた関数は、後で作ったプログラムから呼び出して再利用することで、作業時間を大幅に短縮できます。
ひたすら検索して問題を解決していく
続いて重要な点は、ひたすら検索することです。検索はすぐに答えを知ることができます。開発の学習を進めるには最適でしょう。
何よりコストがかかりません。書籍に書かれていない、高度な内容が掲載されていることもあります。
プログラミングスクールでPythonを勉強する
独学での勉強の場合、短期間でPythonを身につけるは至難の技です。
勉強に使える時間が豊富な人や覚えが早い人であれば短期間で覚えることも可能かもしれませんが、普通はかなり厳しいはずです。
独学の場合は何より途中で挫折してしまう可能性も高いので、短期間で挫折しにくい勉強方法はプログラミング教室での学習もオススメです。
空いた時間に学習可能なオンライン型のスクールもあるので、社会人で教室に通うのが大変な方も勉強することができます。
下記ではPythonの学習コースがあるプログラミングスクールをまとめています。
プログラミングスクール | Pythonが学習できるコース |
---|---|
Aidemy Premium | AI アプリ開発講座/データ分析講座/自然言語処理講座 |
TechAcademy | Pythonコース/データサイエンスコース/AIコース |
忍者コード | Pythonコース |
DMM WEBCAMP | AIコース/Pythonコース/データサイエンスコース |
Tech Mentor | AIアプリ開発コース |
SAMURAI ENGINEER | AIアプリコース/データサイエンスコース |
GeekSalon (大学生限定) |
AIコース/Pythonコース |
デイトラ | Pythonコース |
「プログラミングスクールは料金が高くて受講できない」という人は料金が安いプログラミングスクールを検討してみましょう。
> 安い受講料金でPythonを学習できるプログラミングスクール6選
Pythonが学べるプログラミング学習サイト
オンラインのプログラミング学習サービスの中にはPythonの学習ができるサービスもあります。
中にはPythonに特化したサイトや解説を見ながらブラウザ上でコードを書いて実行できる学習サイトもあるので、面倒な開発環境の構築が不要で勉強できます。
これから初めてPythonの勉強をする方は以下のような学習サービスを検討してみるのも良いでしょう。